中国の秦剛外相は、北京を訪れているアメリカの電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOと30日に会談し「テスラを含む各国の企業のためよりよいビジネス環境の整備に力を注ぐ」と強調しました。中国としては、アメリカとの対立が続くなか、関係改善に向けた糸口を探るねらいもあるとみられます。
中国外務省によりますと、会談の中で秦外相は「中国は揺るぎなく高水準の対外開放を推進し、テスラを含む各国の企業のためよりよいビジネス環境の整備に力を注ぐ」と強調しました。
そのうえで「健全で安定した建設的な両国関係は中国とアメリカだけでなく、世界にとっても有益だ」と述べました。
これに対し、マスクCEOは「両国の利益は密接不可分だ」と述べ、経済的なつながりを切り離す「デカップリング」に反対するとともに中国でのビジネスを拡大していく考えを示したということです。
テスラは2019年から上海で電気自動車を生産しているほか、先月には再生可能エネルギーの活用に欠かせない大型蓄電システムを生産する新工場の建設を発表するなど、中国市場を重視する姿勢を鮮明にしています。
中国としては、外相みずからマスク氏と会談することで、半導体などハイテク分野を中心にアメリカとの対立が続くなか、企業を取り込み関係改善に向けた糸口を探るねらいもあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB