「水平リサイクル」と呼ばれる使用済みの製品を同じ製品にリサイクルする取り組みが、大手日用品メーカーの間で広がっています。
花王は、洗濯用洗剤の詰め替えパックで、先月から一部の商品に水平リサイクルによる再生材料を採用しました。
洗剤の詰め替えパックは、フィルム状の異なる素材を何層にも重ねて作られています。
このため、そのまま混ざった状態でリサイクルすると、フィルムの品質が落ちてしまうのが課題でした。
このため会社では、フィルムをなめらかに加工するために、不純物のろ過や、溶かす際の温度の管理など独自の技術を開発したということです。
花王の包装技術研究所の瀬戸啓二さんは「元と同じような品質で長く使い続けられる。今後も広げていきたい」と話していました。
また、ユニ・チャームは、紙おむつの水平リサイクルの実証実験に力を入れています。
鹿児島県内の自治体と連携して家庭で使われた紙おむつを回収し、介護施設で再生した紙おむつが使われています。
殺菌や脱臭などのほか、吸収材の水分を取り除く技術を開発し、ごみの分別の仕組みと組み合わせることで水平リサイクルを実現しました。
会社では、現在、2つの自治体と提携していますが、2030年までに10以上に増やすことを目指しています。
-- NHK NEWS WEB