企業が立場を利用して下請け業者に不当な要求を行い、下請け法に違反したなどとして、公正取引委員会が勧告や指導を行った件数は、昨年度8600件余りとこれまでで最も多くなりました。公正取引委員会は、ウクライナ情勢の影響による原材料費の高騰などが背景にあるのではないかと分析しています。
公正取引委員会によりますと、昨年度全国の企業に対し、下請け法に違反したなどとして勧告や指導を行った件数は8671件と、前の年度に比べて745件増え、これまでで最も多くなりました。
業種の内訳では
▽「製造業」が全体の37%を占めて最も多く、次いで
▽「卸売り・小売業」が19.8%
▽「情報通信業」が13%などとなっています。
具体的な事例としては、港湾の運送業務を委託された下請け業者が、エネルギー価格の高騰などを受け、取引価格を引き上げるよう求めたにもかかわらず、何の理由も説明されずに価格を据え置かれたケースがあり「買いたたき」にあたるおそれがあると判断されました。
公正取引委員会はこうした不当な行為について相談窓口を設けていますが、昨年度は1万4000件余りと、前の年度に比べておよそ3000件増えたということです。
公正取引委員会は、ウクライナ情勢や円安の影響による原材料費の高騰などが背景にあるのではないかと分析していて「今後も相談対応を強化していきたい」としています。
-- NHK NEWS WEB