海外旅行の格安ツアーを手がける東京の旅行会社「てるみくらぶ」が経営破綻した問題で、利用客にわずかしか代金が弁済されない事態になっていることを受けて、国土交通省は、業界団体の保証金で代金を弁済する今の制度の見直しを検討することになりました。
東京の旅行会社「てるみくらぶ」は、先月、資金繰りに行き詰まり、東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けました。
旅行会社が経営破綻した場合、支払われたツアー代金は業界団体の日本旅行業協会が「保証金」で弁済する仕組みがありますが、今回は、支払い済みの代金が99億円余りに上っているのに対して、保証金は全体の1%程度に当たる1億2000万円しかなく、利用客にはほとんど弁済されない見通しとなっています。
こうした事態を受け、国土交通省は、今月中にも有識者からなるワーキンググループを設け、業界団体の保証金で利用客に代金を弁済する今の制度の見直しについて検討を進めることになりました。
また、「てるみくらぶ」が、大量の予約を受け付けたまま破綻したことや、営業損益を黒字に見せる粉飾決算を行っていた疑いがあることから、旅行会社の経営状態を把握する新たな方法も検討していくことにしています。
これについて石井国土交通大臣は記者会見で、「今はインターネットでパック旅行などを販売するというビジネスモデルに変わり、あまり会社の資産がなくても業務を拡大できるように変わってきた。そういう変化に応じて、旅行会社の監督の在り方も考えていかなければならない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB