国が目標に掲げて削減を進めている「食品ロス」について、2021年度の推計が発表され、年間でおよそ523万トンと前の年度よりも1万トン増えました。今後の経済の回復状況などによっては増加も懸念されることから国は「さらなる努力が必要だ」としています。
本来は食べられるものが廃棄される「食品ロス」について国は2000年度の時点の年間およそ980万トンを、2030年度までに半減させることを目標に掲げています。
2021年度の推計値について国は、企業での売れ残りなどの事業系が279万トン、家庭での食べ残しなどの家庭系が244万トンの、合わせて523万トンと明らかにしました。
これは前の年度と比べて1万トンの増加となり、内訳では、事業系が4万トンの増加、家庭系が3万トンの減少でした。
このうち事業系が増加した理由については、コロナ禍でのたび重なる行動制限のため、需要予測が困難だったことが要因ではないかとしています。
目標達成にはさらに30万トン余りの削減が必要ですが、今後の経済状況の改善によっては食品ロスの量が増加する懸念もあり、国は引き続き周知や啓発活動に力を入れたいとしています。
河野消費者担当大臣は「2030年度までに半減させるという目標を着実に達成するには更なる努力が必要で、達成に向けて庁として施策のパッケージを年末までに策定したい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB