高い利回りをうたう一方でリスクを伴う「仕組み債」と呼ばれる金融商品をめぐり、証券取引等監視委員会は「千葉銀行」や子会社の証券会社、それに「武蔵野銀行」がリスクを十分に説明せずに顧客に販売したなどとして3社に対して行政処分を行うよう金融庁に勧告しました。
勧告の対象となったのは、「千葉銀行」と子会社の「ちばぎん証券」それに、さいたま市に本店を置く「武蔵野銀行」の3社です。
金融商品取引法では、顧客の知識や経験、それに財産の状況などに照らして不適当な勧誘や販売を行ってはならないという原則を定めていますが、証券取引等監視委員会によりますと「ちばぎん証券」は、投資の経験が少ない顧客に十分なリスクの説明をせずに仕組み債を販売していたということです。
また、顧客から多数の苦情が寄せられ、日本証券業協会からも合わせて3回注意喚起を受けていたということです。
千葉銀行と武蔵野銀行はそれぞれの顧客を、提携関係にあるちばぎん証券に紹介していましたが、その際、顧客の状況を確認しないまま高金利といった優位性を強調していたということで、監視委員会は法律が求めている投資家保護のために必要な対応をとっていなかったと判断しました。
監視委員会は9日、3社について金融庁に行政処分を行うよう勧告し、金融庁はこれを受けて処分を検討することにしています。
-- NHK NEWS WEB