去年1年間に労災事故で亡くなった人やけがをした人は、合わせて13万2000人余りと過去20年間で最も多くなりました。死者は減っている一方、転倒などでけがをする人が増えていて、厚生労働省は対策を呼びかけることにしています。
厚生労働省によりますと、去年1年間に仕事中の事故で亡くなった人や、けがをして4日以上休んだ人は、新型コロナの感染を除いて全国で13万2355人でした。
死者は774人と前の年から4人減って記録が残る昭和23年以降最も少なかった一方、全体の人数は前の年より1769人、率にして1.4%増え、過去20年間では最も多くなりました。
転倒して骨折する人や無理に重いものを持ってぎっくり腰になる人などが増えているためで、全体のうち転倒によるものが27%、無理な動きによるものが16%を占めています。
特に転倒は60代以上の女性に多く、発生率は20代の女性のおよそ15倍となっています。
これとは別に、去年1年間に仕事で新型コロナウイルスに感染して亡くなった人は17人、4日以上休んだ人は15万5989人でした。
厚生労働省は「退職年齢の延長などを背景に労災事故にあう高齢者が増えている。特に転倒による事故は全産業で増加傾向にあり、事故防止に取り組む企業への補助事業などを通じて対策を呼びかけたい」としています。
-- NHK NEWS WEB