フッ素化合物に関する先端技術の情報を中国の企業に漏えいしたとして逮捕された産業技術総合研究所の研究員が、中国でも大学の教授や企業の役員などを兼任していたことが捜査関係者への取材で分かりました。
必要な手続きを取らず、兼任した可能性もあるということで、警視庁が情報漏洩に至る詳しいいきさつを調べています。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所の上級主任研究員で、中国籍の権恒道容疑者(59)は、平成30年に自身が研究するフッ素化合物に関する技術情報を中国の企業に漏えいしたとして、不正競争防止法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。
警視庁は、捜査に支障があるとして認否を明らかにしていません。
捜査関係者によりますと、権容疑者は中国の大学を卒業後、平成14年に産業技術総合研究所に入り、その後、中国で大学の教授や企業の役員などを兼任したということです。
兼任のうえで、必要な手続きをとらなかった可能性もあるということで、産業技術総合研究所が警視庁に連絡したことで事件が発覚しました。
漏えいされた情報は、変圧器などに使われる絶縁性の高いガスについて、フッ素化合物を合成することで温暖化防止に有効なガスを生成できる先端技術に関する研究データだったということで、警視庁が漏えいに至る詳しいいきさつを調べています。
-- NHK NEWS WEB