産業技術総合研究所の中国籍の研究員が、フッ素化合物に関する先端技術の情報を漏えいしたとして逮捕された事件で、漏えい先は中国の化学製品の製造会社で、研究員の妻が日本国内にある代理店の社長を務めていることが分かり、警視庁が詳しいいきさつを調べています。捜査関係者によりますと、調べに対し容疑を否認しているということです。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所の上級主任研究員で、中国籍の権恒道容疑者(59)は、自身が研究するフッ素化合物に関する先端技術の情報を中国の企業にメールで送って漏えいしたとして、不正競争防止法違反の疑いで逮捕され、16日、検察庁に送られました。
捜査関係者によりますと、警視庁の調べに対し容疑を否認しているということです。
これまでの調べで、漏えいされた情報は、地球温暖化防止にも有効な、絶縁性の高いガスを生成できるフッ素化合物に関する先端技術の研究データだったことが分かっていますが、漏えい先の企業は、中国 北京にある化学製品の製造会社で、容疑者の妻が日本国内にある代理店の社長を務めていることが、捜査関係者への取材で分かりました。
漏えいした技術をもとに中国の会社が開発した製品を、日本の代理店を通じて輸入しようとしていた可能性があるということです。
警視庁は、先端技術を母国に流出させることに加え、営利目的でも漏えいした疑いがあるとみて、詳しいいきさつを調べています。
-- NHK NEWS WEB