全国の総合病院などに勤務する複数の眼科医が手術の動画を勤務先などに無断で医療機器メーカーに提供し現金を受け取っていた問題で、奈良県の公立病院に勤務する眼科医が、このメーカー側から受け取った現金80万円はメーカーの医療機器を使用する見返りだったとして収賄の疑いで書類送検されたことがわかりました。
捜査関係者によりますと、書類送検されたのは、奈良県大和高田市立病院の眼科で勤務する54歳の非常勤の医師です。
この医師は、都内にある医療機器メーカー「スター・ジャパン」が販売していた白内障の手術などで使う「眼内レンズ」を優先的に使用する見返りに、おととしまでの3年間にメーカー側から現金80万円を受け取ったとして収賄の疑いが持たれています。
また「スター・ジャパン」の社員や元社員で、40歳から67歳の5人が、医師名義の金融機関の口座にあわせて60万円を振り込んだとして、贈賄の疑いで書類送検されました。
捜査関係者によりますと、医師は病院で使う医療機器を選定する権限があり、このメーカーと契約を結び、およそ200枚のレンズを手術で使用していたということで警察が詳しいいきさつを調べています。
「スター・ジャパン」を巡っては、この医師を含む全国の総合病院などの眼科医あわせて75人が、白内障手術の動画をメーカー側に提供し、総額2100万円あまりの現金を受け取っていたことが、業界団体の調査で明らかになっています。
-- NHK NEWS WEB