慢性的なインフレが続くなかでも金融緩和策を行ってきたトルコで中央銀行が金融政策を決める会合を開き、政策金利を年8.5%から15%へと大幅に引き上げることを決めました。利上げは2年3か月ぶりとなり、大きな政策転換となりました。
トルコでは、エルドアン政権のもと、「金利を下げればインフレ率も下がる」と主張するエルドアン大統領の意向に沿う形で、インフレが続く中でも中央銀行が「利下げ」を行うという異例の対応を続けてきました。
物価は去年85%を超え、5月も39%とインフレが続き、通貨リラもドルに対して最安値を記録し、市民生活を直撃しています。
こうした中、22日にトルコの中央銀行は、新たな総裁のもと金融政策を決める会合を開き、政策金利を年8.5%から15%へと大幅に引き上げることを決めました。
利上げは2年3か月ぶりとなり、大きな政策転換となりました。
5月の選挙で続投を決めたエルドアン大統領は6月、中央銀行の新たな総裁にアメリカの金融大手ゴールドマン・サックスなどに勤務したエルカン氏を起用しました。
市場では総裁の交代によって、これまでの金融緩和策を見直すのではないかとの観測が出ていました。
ただ、エルドアン大統領は、金融緩和策がインフレを抑制するという独自の理論を主張しており、中央銀行が金融引き締めを続けられるかは不透明です。
-- NHK NEWS WEB