中国は今週、北欧のノルウェーやフィンランドと相次いで首脳外交を行って、北極圏の開発などでの協力を深めることで一致し、この地域での権益の拡大を図る動きとして注目されます。
中国の李克強首相は7日、北京を訪れたノルウェーのソルベルグ首相と会談しました。両国の関係はノルウェーにあるノーベル平和賞の選考委員会が、民主化を訴えて服役中の中国人作家を賞に選んだ2010年以降冷え込んでいましたが、今回の首脳会談で関係改善を進めることで一致しました。
中国外務省によりますと、会談で双方は中断していた自由貿易協定の交渉を再開することや、北極圏の持続可能な発展のために協力を深めることで合意したということです。
今月5日には中国の習近平国家主席が、北極海の沿岸国でつくる北極評議会の次の議長国となるフィンランドで、ニーニスト大統領と会談し、北極圏の開発を進めるうえで必要な航行の安全や海洋環境保護のために、技術協力を進めることで合意しています。
北極圏をめぐって中国政府は、コストや輸送日数を大幅に削減できる新たな航路の開拓に中国企業の参入を促しているほか、石油などの天然資源が豊富にあることに強い関心を寄せていて、一連の首脳外交はこの地域での権益の拡大を図る動きとして注目されます。
-- NHK NEWS WEB