ウクライナのゼレンスキー大統領は、南部のザポリージャ原子力発電所で、ロシアがテロを計画していると主張したうえで、これを防ぐために主要な関係国に説明を行ったと明らかにしました。これに対し、ロシア側は否定しています。
反転攻勢を続けるウクライナのマリャル国防次官は22日、SNSで「南部では徐々に前進している」としたうえで、南部ザポリージャ州の主要都市メリトポリやアゾフ海に面した港湾都市ベルジャンシクに向かう方面で作戦を続けていると強調しました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、ロシア側が占拠を続けているザポリージャ原子力発電所について「ロシアが、放射性物質の拡散を伴うテロを計画しているという情報を入手した」と主張しました。
すでにウクライナ政府からG7やG20、そして国際機関の代表に状況を説明したとして「世界は占領者が何を準備しているか知る必要がある」と訴え、国民を守るための必要な措置を講じるようクリメンコ内相に指示をしたとしています。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問はSNSで「ロシアは原発の冷却水を供給していた貯水池などに地雷を埋めている。ロシアが実行するかどうかは、世界の反応にかかっている」と訴えました。
これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「それはうそだ」と否定しています。
ロシア側によりますと、23日、ザポリージャ原発を6月に視察したIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長がロシア西部のカリーニングラードを訪れて、ロシアの原子力企業ロスアトムのリハチョフ総裁と会談する予定で、原発の安全性などについて意見が交わされる見通しです。
-- NHK NEWS WEB