日銀は、6月15日と16日に開いた金融政策決定会合の「主な意見」を公表し、この中で委員から、消費者物価が想定より上振れて推移するという見方が相次いだことがわかりました。
日銀は6月の会合で今の大規模な金融緩和策を維持することを決めたほか、物価上昇率の先行きについてもこれまでの見方を変えず、今年度半ばにかけてプラス幅を縮小し、その後は再びプラス幅を緩やかに拡大していくという見通しを示しました。
この会合で委員からは、物価上昇率について「企業の価格設定スタンスが積極化してきていることを踏まえると想定より上振れる可能性もある」という指摘があったほか、「企業の価格転嫁の動きのほか雇用・所得環境の改善やインバウンドの需要の回復もあり当面、物価上昇圧力の強い状況が続く」という意見もみられました。
さらに「物価上昇率は年度半ばにかけ低下していくものの、2%を下回らない可能性が高い」という見方も示されるなど日銀の当初の想定よりも物価が上振れて推移するという見方が相次いだことが分かりました。
また、長期金利と短期金利に操作目標を設ける「イールドカーブ・コントロール」という今の金融政策の枠組みについてもさまざまな意見が出され、「市場機能に改善がみられており運用を見直す必要はない」という意見が出た一方で、「コストが大きく、早い段階で扱いの見直しを検討すべきだ」という指摘もみられました。
-- NHK NEWS WEB