ロシアで武装反乱を起こしたあと、消息が途絶えていた民間軍事会社ワグネルの代表のプリゴジン氏は日本時間の26日夜、新たな音声メッセージを公開しました。「政権転覆の意図はなかった」などと主張する一方、どこにいるかは明らかにせず、その動向に引き続き関心が集まっています。
ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏は、国防省との確執を深める中で武装反乱を起こし、首都モスクワに向けて部隊を進めましたが、一転して部隊を引き返させ、占拠していた南部の軍司令部からも撤収させました。
その後、プリゴジン氏の消息は途絶えていましたが、日本時間の26日の夜遅く、新たな音声メッセージをSNSに投稿しました。
およそ11分間の音声メッセージの中でプリゴジン氏は、「謀略によってワグネルは7月1日に消滅することになっていた」としたうえで、「抗議デモを行うつもりだった。政権転覆の意図はなかった」と述べ、反乱ではなかったと主張しました。
また、ロシアで流血の事態を避けるため部隊を撤退させたと強調したうえで、隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領の名前を挙げ、「ワグネルが、今後も活動するための解決策を見つけようと手を差し伸べてくれた」などと述べました。
プリゴジン氏がSNSに投稿したのは、日本時間の25日の未明に部隊を引き返させるとする音声メッセージを発信したあと初めてです。
ただ、発信した場所はわかっておらず、自身がどこにいるかは明らかにせず、その動向に引き続き関心が集まっています。
武装反乱を受けて、首都モスクワでは一時、厳戒態勢が敷かれ、市民の間から不安の声も聞かれましたが、ロシアのミシュスチン首相は26日、政府の会議で、「大統領の指導のもと、的確に行動をとり、安定した状況を維持した」と強調し、結束を呼びかけました。
こうした中、反転攻勢を進めるウクライナのゼレンスキー大統領は26日、東部ドネツク州を訪問し、激戦地バフムト方面で戦闘にあたる部隊を激励しました。
プリゴジン氏をめぐってロシア側が混乱する中、反転攻勢に弾みをつけたいねらいもあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB