イタリアが、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」からの離脱を検討していると報じられる中、中国共産党の高官が訪問先のミラノで企業関係者との会議に出席しました。
中国共産党としては、現地で「一帯一路」への支持を取りつけたなどと主張し、イタリアの引き止めを図るねらいがあるとみられます。
中国共産党によりますと、対外交流を担当する中央対外連絡部トップの劉建超部長が25日、イタリア北部のミラノで企業関係者との会議に出席しました。
この中で劉部長は、イタリアがG7=主要7か国で唯一、中国と交わしている巨大経済圏構想「一帯一路」に関する覚書について、「現在だけでなく、将来に目を向けた正しい決定だ」と称賛しました。
そのうえで、「両国が協力への自信を深め、世界各国がパートナーシップのネットワークをつくる手本となる」と述べ、「一帯一路」を通じたさらなる関係強化を呼びかけました。
アメリカなどのメディアは、イタリアで去年発足したメローニ政権が、「一帯一路」構想からの離脱を検討していると報じていますが、今回の会議に出席したイタリアの企業関係者は、協力の継続を「断固として支持する」と述べたということです。
中国共産党としては、EU=ヨーロッパ連合で中国に対する警戒感が高まる中、現地で「一帯一路」への支持を取りつけたなどと主張し、イタリアの引き止めを図るねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB