中国の李強首相は、27日開かれた経済フォーラムで演説し、市場開放を進める姿勢を強調しました。厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策の影響などで打撃を受けた経済の回復のため外資系企業の投資を呼び込むねらいがあるとみられます。
中国 天津で世界経済フォーラムが主催する国際会議、いわゆる「夏のダボス会議」が4年ぶりに開かれ、李強首相が各国の政財界の関係者を前に演説しました。
李首相は「経済・貿易の問題を政治化することに断固反対し、世界のサプライチェーンの安全と安定を維持しなければならない」と述べ、対立が続くアメリカを念頭にけん制しました。
その上で「高い水準の対外開放を進めるなど、より多くの有効な措置を打ち出していく。世界経済の回復と成長の原動力となり、各国の投資家に互いに利益が得られる機会を提供していく」と述べ、市場開放を進める姿勢を強調しました。
厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策の影響で経済が打撃を受けたことや、アメリカからの輸出規制が強化されていることなどを背景に、経済の回復のため外資系企業の投資や技術協力を呼び込むねらいがあるとみられます。
一方、中国ではスパイ行為を取り締まる法律が改正され来月1日から施行されることなどから、外資系企業の間ではビジネス環境の不透明性が増す懸念が強まっていて、実際に投資や事業展開をしやすい環境を整備できるかが問われます。
-- NHK NEWS WEB