ロシアで武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏がベラルーシにいるとみられることをめぐり、隣国ウクライナのゼレンスキー大統領は、国境周辺の防衛に自信を示しました。
これに対し、同じくベラルーシと国境を接するポーランドのドゥダ大統領は「潜在的な脅威となる可能性は排除できない」と述べ、警戒を強めています。
ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏について、隣国ベラルーシの国営通信は27日、ベラルーシ国内にいることをルカシェンコ大統領が明らかにしたと伝えました。
また、ロシアの独立系メディアは、ベラルーシ国内に複数のキャンプが建設されていると伝えるなど、ワグネルの部隊の今後の動きが焦点となっています。
こうした中、ベラルーシの隣国ウクライナのゼレンスキー大統領は、28日、首都キーウを訪れたポーランドのドゥダ大統領、リトアニアのナウセーダ大統領とそろって会談しました。
会談後の記者会見でゼレンスキー大統領は、ワグネルの部隊がいまも東部のルハンシク州にいるとしたうえで「われわれに敗れて2万人以上が殺害された。ベラルーシで、どれほどの脅威となるのか私には分からない」と述べました。
そしてゼレンスキー大統領は、ベラルーシにワグネルの戦闘員がいても国境周辺の状況は変わらず、軍がコントロールできているとして、防衛に自信を示しました。
これに対し、同じくベラルーシと国境を接するポーランドのドゥダ大統領は「ベラルーシにおけるワグネルの存在が潜在的な脅威となる可能性は排除できない」と述べ、警戒を強めています。
一方、ロシアのプーチン大統領は28日、南部ダゲスタン共和国のカスピ海沿岸の町を訪れ、博物館などを視察しました。
ロシアの国営テレビは、プーチン大統領が、ワグネルの武装反乱をめぐる対応に追われた前日までとは異なり、視察先で時折笑顔を見せながら説明を受ける様子を放送し、国内の混乱はすでに収束したとアピールするねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB