企業の間で労働時間の短縮を目指す動きが相次ぐ中、人材派遣会社などは専門知識を持った人材の派遣など、これまで正社員が担ってきた業務を引き受けるサービスなどを拡大しています。
東京・新宿区にある主婦専門の人材派遣会社「ビースタイル」は、データ入力や営業支援などを行う人材に加えて、4年前からは高度な専門知識や経営能力を持つ人材を派遣する事業を始めました。
アメリカの公認会計士の資格を持つ人や、経営幹部として働いた経験がある人などを派遣するこの事業は、毎年、売り上げが伸びていて、派遣先の営業戦略の策定や人材の採用など、これまで正社員が担ってきた業務に携わるケースもあるということです。伊橋俊一マネージャーは「企業の中核となる業務でも、成果を出すことができれば、派遣社員でも問題がないという考え方が広がっており、ニーズはますます増えると思う」と話しています。
また、自宅で働くことを希望する人たちに、仕事を仲介するサイトを運営する東京・渋谷区の「クラウドワークス」は、企業側から継続的に業務を外注したいという要望を受け、例えば、月に30時間、経理関連など毎月、定まった時間の業務を仲介するサービスを去年12月から始めました。
これまではWEBデザインなど単発の業務ごとに仲介していましたが、新しいサービスの導入で、サイトの開設とその維持管理、貿易関連の事務と海外市場のリサーチなどを継続的に任される登録者もいるということです。
サービスの利用を検討しているデジタル広告会社の担当者は「全体の3割くらいの業務委託を検討している。余裕が生まれることで、社員には業務の改善や新しい課題の発見を期待したい」と話していました。
このサービスの契約件数も増えているということで、社員の労働時間の短縮が求められる中、企業の間で外部人材の活用を拡大する動きが広がっています。
-- NHK NEWS WEB