死刑囚の元暴力団会長が殺害を告白した不動産会社社長が、去年、埼玉県内の山林で遺体で見つかった事件で、警視庁は10日、この死刑囚を殺人の疑いで逮捕する方針です。
平成15年に前橋市のスナックで客など4人が銃で射殺された事件で、指示役として死刑が確定した住吉会系の元暴力団会長、矢野治死刑囚(68)は、東京・新宿区の不動産会社社長、斎藤衛さん(当時49)を金銭トラブルから殺害したと告白する文書を警視庁に送り、警視庁が配下の組員の証言をもとに、去年11月、埼玉県ときがわ町の山林で遺体を発見しました。
警視庁がさらに捜査を進めた結果、矢野死刑囚が平成10年4月ごろ、豊島区にあった暴力団事務所で首を絞めて斎藤さんを殺害したとして、10日、殺人の疑いで逮捕する方針です。
斎藤さんは、当時の参議院議員らが実刑判決を受けた「オレンジ共済組合」の大型詐欺事件に絡む政界工作疑惑をめぐって、平成9年に国会で証人喚問されています。
矢野死刑囚をめぐっては、平成8年に行方がわからなくなった神奈川県伊勢原市の不動産業、津川※シズ夫さん(当時60)の殺害を仲介したことも告白し、去年4月に伊勢原市の山林で遺体が見つかっていて、警視庁が調べを進めています。
(※「シズ」は、「靜」の左側が「青」)
-- NHK NEWS WEB