反転攻勢を続けているウクライナ軍に対し、ロシア国防省は国内の武装反乱の影響を否定し、撃退に成功していると主張しています。こうしたなかプーチン大統領が4日には上海協力機構の首脳会議にオンラインで参加し、欧米に対抗する上で友好国との連携を強化したいねらいです。
領土奪還を目指すウクライナのゼレンスキー大統領は3日SNSで「先週、前線は困難だったが、われわれは徐々に前進している」と投稿し反転攻勢の成果が出ていると強調しました。
今月11日からはNATO=北大西洋条約機構がバルト三国のリトアニアで首脳会議を開く予定で、ウクライナとしては反転攻勢の成果も示し、さらなる軍事支援を取り付けたいねらいとみられます。
これに対し、ロシアのショイグ国防相は3日、国防省で開いた会議で「全体として敵はあらゆる分野で目的を達成できていない」と述べ、ロシア軍がウクライナ側の撃退に成功していると主張しました。
また民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏の武装反乱について「軍の兵士が任務に忠実であったため失敗に終わった」と述べた上で、軍の統率やウクライナへの軍事侵攻に影響はなかったと強調しました。
こうしたなか、プーチン大統領は4日、インドが議長国を務める上海協力機構の首脳会議にオンラインで出席する予定です。
ロシアと中国が主導する上海協力機構の枠組みを重視するプーチン政権としては、ウクライナ情勢を巡って対立が深まる欧米側に対抗するうえで、安全保障や経済面での連携を強化したいねらいです。
ロシアで武装反乱が起きてからプーチン大統領は友好国の首脳に対し積極的に電話会談を行い政権に対する支持を確認してきましたが、国際会議に参加するのは初めてで、その発言が注目されます。
-- NHK NEWS WEB