去年10月、静岡県の富士山の5合目から下る道路で観光バスが横転して29人が死傷した事故で、警察は運転手への指導や監督を怠ったとして、バスの運行会社で運行管理を担当していた56歳の社員を業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。
去年10月、静岡県小山町の富士山の5合目から下る県道で観光バスが横転し、当時75歳の乗客の女性が死亡したほか、乗員と乗客28人が重軽傷を負いました。この事故では、フットブレーキを使いすぎる操作ミスが原因でブレーキがきかなくなる「フェード現象」が生じたなどとして、当時のバスの運転手が過失運転致死傷の罪に問われています。
その後の捜査の結果、埼玉県飯能市にある運行会社「美杉観光バス」で運行管理を担当していた56歳の男性社員が、運転手への指導や監督を怠った疑いがあるとして、警察は3日、業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。
当時運転手は同じコースで過去に乗務した経験がありませんでしたが、警察によりますと、社員は運行指示書の中で、急な下り坂を運転する際の注意点を具体的に記載していなかったということです。
任意の調べに対し、社員は容疑を認めているということです。社員が書類送検されたことについて、「美杉観光バス」は「警察の捜査に協力していきます」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB