政府が開発や建設を進めるとしている次世代型の原子炉をめぐり、経済産業省は、基本設計や建設などを担う中核企業として、三菱重工業を選定する方向で調整を進めていることが分かりました。
政府は脱炭素社会の実現とエネルギーの安定供給の両立をはかるため、今後、廃炉となる原発の敷地内で次世代型の原子炉の開発や建設を進める方針を打ち出しています。
このうち「高温ガス炉」と「高速炉」と呼ばれる原子炉の実用化に向けて、経済産業省は、ことし3月から、基本設計や建設など中核的な役割を担う企業の選定を進めていましたが、関係者によりますと、いずれについても三菱重工業を選定する方向で調整を進めていることが分かりました。
「高温ガス炉」は、原子炉の冷却にヘリウムガスを使うことで発電効率が高いとされるほか、水素の製造も可能な一方、「高速炉」は発電の過程で放射能レベルの高い廃棄物を従来よりも減らすことができるとされています。
国の工程表では、高温ガス炉は2030年代、高速炉は2040年代に実証炉の運転開始を目指すとしていて、官民が連携しながら安全性を確保しつつ、実用化の技術を確立できるかが課題となります。
-- NHK NEWS WEB