韓国政府は、電気料金と合わせて事実上自動的に徴収されてきた公共放送KBSの受信料について、電気料金とは切り離してKBSが独自に支払いを求める方法に改めることを決めました。これに対しKBSは、徴収率が低下し受信料収入が大幅に減少するとして、強く反発しています。
韓国では公共放送KBSの受信料の徴収は、1994年以降、委託を受けた電力会社が行ってきていて、各世帯は電気料金と合わせて事実上自動的に支払う形になっています。
これについて、韓国政府の放送通信委員会は5日、電気料金とは切り離してKBSが独自に支払いを求める方法に改めるため、関連法令を改正することを決めました。
今回の決定の根拠として韓国政府は、KBSの中立性を疑問視する声もある中で、ことし3月から4月にかけて大統領府のホームページを通じて国民の意見を募った結果、電気料金と受信料を切り離すべきだとする人が90%以上に上ったことを挙げています。
改正される法令は、閣議や大統領の承認などを経て、今月中に施行される見通しです。
これに対しKBSは、体制が整っていないことなどから徴収率が低下し受信料収入が6分の1に減少するとして、強く反発しており、法令改正の手続きの差し止めを求める仮処分を裁判所に申し立てています。
KBSは4日出した声明で「公共放送の責任を弱体化させるものだ」と批判した上で「手続きはまだ終わっていない。韓国政府は懸念の声に耳を傾けてほしい」と訴えました。
-- NHK NEWS WEB