国の機関を地方に移転する取り組みで、国立がん研究センターの新たな研究室が山形県鶴岡市に設けられ、今後、大学と連携して新たな治療薬などの開発を目指すことにしています。
鶴岡市に設けられたのは、国立がん研究センターの「がんメタボロミクス研究室」で、10日、開所式が行われました。
国の機関を地方に移転する取り組みの一つで、センターと、市内に研究所がある慶應大学、それに、山形県と鶴岡市の4者が、研究の成果を地域活性化に生かすことなどを盛り込んだ協定書に調印しました。
研究室は、慶應大学の研究所と共同で、がん細胞特有の代謝の解明を進めて、新たな治療薬などの開発を目指すことにしています。
国立がん研究センターの中釜斉理事長は「自然に恵まれた中で感性を磨きながら研究するのは科学者にとって必要なことで、地域の産業や企業とも連携を深めていきたい」と話していました。
また、研究室のチームリーダーの牧野嶋秀樹さんは「がんの代謝の研究が実用化できるのか、まだ未知な部分もあるので、研究を通してその有用性を示していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB