飲料水を高級化粧品に見せかけて取り引きしていたなどとして、東京 新宿区の卸売り会社や国内の輸出業者、合わせておよそ10社が東京国税局から指摘を受け、消費税およそ44億円を追徴課税されていたことが、関係者への取材で分かりました。輸出品は消費税が免税される仕組みを悪用しようとしたとみられるということです。
追徴課税を受けたのは、東京 新宿区にある化粧品などの卸売り会社、「雨辰」と、この会社と取り引きしていた国内の輸出業者、およそ10社です。
関係者によりますと「雨辰」は、おととし11月までの2年間に、国内ブランドの高級化粧品をおよそ370億円で仕入れ、ほぼ同じ額で輸出業者に販売したと税務申告しました。
しかし、実際に仕入れていたのは、ほとんどが近所の酒店が取り扱っていた飲料水で、仕入れ額はおよそ30億円だったということです。
一方、「雨辰」からそれらを仕入れた輸出業者は、化粧品として香港に輸出したと税務申告していたということです。
消費税は原則、国内で消費される商品やサービスに課されます。
輸出業者には、「雨辰」からの仕入れの際に支払ったとして申告された消費税額の一部が還付されていました。
東京国税局はこうした取り引きを税務調査で把握し、不正に消費税の還付を受けることなどを前提とした偽りのものだったとみて、「雨辰」にはおよそ35億円を、輸出販売会社およそ10社には合わせておよそ9億円をそれぞれ追徴課税したということです。
関係者によりますと、「雨辰」の中国人経営者は、税務調査のあと、出国したということで、14日、新宿区のビルにある会社を訪ねましたが、応答はありませんでした。
-- NHK NEWS WEB