ロシアと同盟関係にあるベラルーシの国防省は、ロシアで武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの戦闘員を国内に受け入れ、訓練を行ったことを明らかにしました。これに対しベラルーシと国境を接するウクライナ側は警戒を強めています。
ロシアの隣国で、同盟関係にあるベラルーシの国防省は14日、首都ミンスクの南東にある演習場でベラルーシ軍とロシアの民間軍事会社ワグネルの間で訓練が行われたと発表しました。
訓練の様子だとする映像も公開され、ワグネルの戦闘員が教官を務め、ベラルーシの部隊の兵士に対して訓練を実施していて「招集された兵士が射撃の技術や、医療の知識などを習得している」としています。
さらに、ベラルーシ軍とワグネルの間で訓練を実施していくためのロードマップも作成したと発表しました。
ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシア国内で武装反乱を起こしたワグネルの代表プリゴジン氏と、ロシアのプーチン大統領との仲介役を担ったとされ、ルカシェンコ大統領はワグネルの部隊の国内への受け入れを歓迎する考えを示していました。
ベラルーシとしては、ウクライナの最前線で戦ってきたワグネルの戦闘技術や経験を習得するとともに、ワグネルの存在を誇示し、ウクライナや欧米側をけん制するねらいもあるとみられます。
これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は14日に公開した演説で「ベラルーシの状況について国防省のブダノフ情報総局長から重要な報告があった。安全保障の観点から何が起きているか注視している。現時点では大規模な脅威はない」と述べました。
ウクライナは北部でベラルーシと国境を接していて、ウクライナの現地の司令官は、過去10日間で国境地帯の30か所におよそ5800の地雷を設置したと発表していて、ベラルーシ側の動きに警戒を強めています。
-- NHK NEWS WEB