大手電機メーカーの東芝は、2度にわたって延期した決算発表を、国が認めた期限である11日に行いたい考えで、決算をチェックする監査法人との間でぎりぎりの調整を続けています。調整の結果次第では、監査法人の承認が、決算の重要な点は適正であるものの、一部に問題があるとする限定付きの承認になったり、東芝がさらに発表の延期を申請したりする可能性もあります。
東芝は、巨額の損失を出す原因となったアメリカの原子力事業の会計処理に問題がなかったか、調査に時間がかかるとして、昨年度のうち12月までの9か月間の決算の発表を、2度にわたって延期しています。
11日は、東芝が国に発表の延期を求め認められた期限にあたり、東芝は、発表に向けて、決算をチェックするPwCあらた監査法人との間で、ぎりぎりの調整を進めています。
調整の結果次第では、監査法人による承認が、決算全体の重要な点は適正であるものの、一部に問題があるとする限定付きの承認となるか、監査法人のいわばお墨付きの無い、「意見不表明」という状況のまま決算を発表することもありえます。また、監査法人との調整を続けるため、国に3度目の決算発表の延期を申請する対応もありえ、流動的な状況です。いずれの場合も大手の上場企業としては異例の状況で調整の行方が注目されています。
-- NHK NEWS WEB