中国の産業政策を担当する閣僚が首都・北京を訪れた日本の経済団体の代表と会談し、来月から半導体の材料などに使われる2つの希少金属を輸出管理の対象とすることについて、日本企業の懸念を払拭(ふっしょく)したい姿勢を示しました。
中国への投資を支援する「日中投資促進機構」の代表は、北京で王文涛商務相ら中国政府の担当者と会談したあと、18日に記者会見しました。
それによりますと、王商務相は17日の会談で、中国政府が来月から半導体の材料などに使われる2つの希少金属の関連品目を輸出管理の対象として審査することについて「事務的な手続きだ」として、輸出が規制されることへの日本企業の懸念を払拭したい姿勢を示したということです。
また、王商務相はスパイ行為の定義を拡大した改正「反スパイ法」が今月、施行されたことについても「日本企業が大きな不安を感じていることは理解しているが、誤解がある」と述べ、中国に進出する日系企業を対象に今後、説明会を開く考えを示しました。
これに対して、経済団体側は日本から中国を訪問する際のビザ手続きの簡素化のほか、外資系企業が参入しやすいように投資環境の改善を要請したということです。
中国としては、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済の立て直しに向け、日本からの投資や技術の呼び込みにつなげたいねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB