中東を歴訪している岸田総理大臣はカタールで記者会見を開き、エネルギーや安全保障など幅広い分野で協力を確認できたなどと成果を強調し、外交努力を継続して日本や国際社会の安定と繁栄につなげていきたいという考えを示しました。
この中で岸田総理大臣は、今回の中東3か国歴訪について「日本と中東地域の関係の中核にあるエネルギー分野の課題にどう向き合うか。ロシアのウクライナ侵略によりエネルギー供給の不安定化が問題となっている今、世界的な視野で議論を深めることができた」と述べました。
また歴訪した3か国いずれも石油やガスの輸出に国家収入の多くを依存する現状から脱却しようとしていると指摘し、多くの国々が脱炭素への多様な道筋を選択できるようにしていくことが貢献として大きな意義を持つという考えを示しました。
そして一連の首脳会談などの具体的な成果について、中東地域を将来のクリーンエネルギーや重要鉱物の世界的な供給ハブにする構想を提示し、賛同を得られたとしたほか、先端技術や半導体、宇宙、医療などの分野で協力文書に署名したことなどを挙げました。
さらに今回の訪問には数十社の企業が同行し、あわせて50本以上の企業間の覚書も交わされたとして「日本企業のビジネス機会の拡大や対日投資の呼び込みにつなげていきたい」と述べました。
このほか、政治・経済両面で影響力を増す湾岸諸国と外交・防衛分野でも対話の機会を増やしていくことなどで合意できたと説明しました。
その上で「エネルギーや安全保障など幅広い分野で重層的な協力を進めることや、その土台には法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持という共通の目標があることなどを確認できたのは、大変有意義だった」と成果を強調しました。
そして「秋以降も『G20ニューデリーサミット』や国連総会など、国際的なパートナーと対話し連携を確認する機会が続く。G7議長国として今回の中東訪問で実践したことを今後の外交機会でもしっかりと継続し、わが国、国際社会の安定と繁栄に着実につなげていく」と述べました。
-- NHK NEWS WEB