国連の安全保障理事会でAI=人工知能をテーマにしたはじめての会合が開かれ、国連のグテーレス事務総長は、「善と悪の両面の可能性があり、いま、リスクに対処しなければならない」と指摘し、AIのリスクを管理するための国際的なルール作りが必要だと訴えました。
AIをテーマにしたはじめての国連安保理の会合は18日、今月の議長国イギリスが主催し、冒頭、国連のグテーレス事務総長は、AIは医療や教育など人類の生活を向上させる画期的な技術だと指摘しました。
その一方で、AIが悪用されると、偽の情報の拡散などで世界の平和と安全に深刻な影響を及ぼすおそれがあるとして「生成AIは善と悪の両面で非常に大きな可能性がある。いまリスクに対処しなければわれわれは未来の世代に対する責任を放棄することになる」と述べ、リスクを管理するための国際的なルール作りが必要だと訴えました。
また、一部の国連加盟国がAIを規制するための新しい国連機関の創設を求めているとした上で、これを歓迎すると表明しました。
会合では各国からも、民間企業や専門家とも連携した国際的な枠組みでAIの規制を考えるべきだとする意見が相次ぎました。
一方、人間の制御なしに自動で標的を認識して攻撃するAI兵器についても、グテーレス事務総長は、法的に禁止すべきだとして、近く加盟国に対し、交渉を進めるよう呼びかける考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB