コカインを使用した罪で有罪が確定した俳優が出演しているという理由で映画に対する助成金が取り消されたのは不当だと製作会社が訴えた裁判について、最高裁判所は原告と被告双方の主張を聞く弁論を開くことを決めました。弁論は判決を変更する際に必要な手続きで、助成金の取り消しは妥当だと判断した2審の判決が見直される可能性が出てきました。
映画「宮本から君へ」の製作会社は、4年前、コカインを使用した罪で有罪が確定した俳優のピエール瀧さんが出演していることを理由に、文部科学省の外郭団体、「日本芸術文化振興会」から1000万円の助成金の交付が取り消されたのは、表現の自由の侵害だと訴えました。
1審は「映画の製作会社に交付される助成金と出演者の犯罪行為とは無関係だ」などとして助成金の交付を認める判決を言い渡しました。
一方、2審は「薬物乱用の防止という公益の観点から交付しないと決めたことが、著しく妥当性を欠くとはいえない」として1審とは逆に製作会社側の訴えを退けました。
2審の判決を不服として製作会社側が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の尾島明裁判長は、10月13日に弁論を開くことを決めました。
弁論は判決を変更する際に必要な手続きで、製作会社の訴えを退けた2審判決が見直される可能性が出てきました。
-- NHK NEWS WEB