大阪の製薬会社「バイエル薬品」が5年前、新薬を発売する際、他社の薬の使用状況を事前に把握するために、患者のカルテを無断で閲覧していたことがわかりました。会社側は事実関係を認めたうえで、「二度と繰り返さないよう社員への教育を強化していく」とコメントしています。
大阪・北区にある製薬会社「バイエル薬品」などによりますと、平成24年に脳や肺などの血管が詰まりやすくなる「血栓症」の治療薬「イグザレルト」を発売する際、ほかの製薬会社の薬がどれくらい使われているかを事前に把握するため、複数の社員が宮崎県内の開業医に依頼して、無断で患者のカルテを閲覧していたということです。
去年8月に当時の社員が「上司の指示でおこなってしまった」などと厚生労働省に内部告発し、会社が調査を行って判明したということです。
この開業医は会社側の依頼を受けて、患者への聞き取り調査を行っていたということですが、社員にカルテを閲覧させることについて、患者から許可は得ていなかったということです。
バイエル薬品は事実関係を認めたうえで、「二度と繰り返さないよう、事実関係や問題の背景などを徹底的に調べて、社員への教育を強化していく」とコメントしています。
厚生労働省は個人情報保護法などに違反する可能性もあると見て、詳しい経緯を調べています。
-- NHK NEWS WEB