全国の書店員たちが、いちばん売りたい本を投票で選ぶ、ことしの本屋大賞は、ピアノコンクールに挑む若者たちの姿を描いた恩田陸さんの小説「蜜蜂と遠雷」が受賞しました。恩田さんは、本屋大賞では初めてとなる2回目の受賞を果たしました。
本屋大賞は毎年、全国の書店員たちが、いちばん売りたい本を投票で選ぶ賞で、過去の受賞作は、いずれもベストセラーとなり、映画やテレビドラマになるなど、影響力の大きい賞として注目されています。
11日夜、東京・港区で受賞作が発表され、ことしは恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が受賞しました。
「蜜蜂と遠雷」は、日本の地方都市で開かれる国際ピアノコンクールに、さまざまな経歴を持つ若者たちが挑戦する姿を描いた作品で、ことし1月には「文章で表現しづらい音楽や、才能という題材を上手に裁いて物語にした」として、直木賞を受賞しています。
作者の恩田さんは仙台市出身の52歳で、大学を卒業後、生命保険会社などに勤めながら執筆活動を始め、平成4年に「六番目の小夜子」でデビューしました。青春小説からミステリーまで、多彩なジャンルを手がける人気作家で、作品はテレビドラマや映画にもなっています。
恩田さんは平成17年にも「夜のピクニック」で本屋大賞を受賞していて、この賞では初めてとなる、2回目の受賞を果たしました。
また、11日は翻訳小説部門の大賞も発表され、オランダの作家、トーン・テレヘンさんの作品で、長山さきさんが翻訳した「ハリネズミの願い」が受賞しました。
-- NHK NEWS WEB