岸田外務大臣は、訪問先のイタリアで、日本時間の10日夜、EU=ヨーロッパ連合のモゲリーニ上級代表と会談し、シリア情勢の改善に向けて、アサド政権に影響力を持つロシアとの対話継続が重要だという認識で一致しました。
会談は、日本時間の10日夜8時すぎから、食事をともにする形でおよそ1時間20分にわたって行われました。
この中で、シリア情勢について、両氏は、「罪のない多くの一般人が犠牲になる化学兵器の使用は、絶対にあってはならない」として、国際機関による真相究明が必要だという見解を共有しました。そして、アメリカ軍がアサド政権に対して軍事行動をとったことについて、「アサド政権の行動を変え、政治プロセスへの打開につながりうるものだ」と評価したうえで、アサド政権に影響力を持つロシアとの対話継続が重要だという認識で一致しました。
一方、岸田大臣は、イギリスがEUからの離脱を正式に通知し、今後離脱に向けた交渉が進められることを踏まえ、ヨーロッパに進出している日本企業などへの影響が最小化されるよう改めて求めましたのに対し、モゲリーニ上級代表は、離脱交渉の透明性を確保していく考えを伝え、両氏は緊密に意思疎通を図ることを確認しました。
-- NHK NEWS WEB