大手電機メーカー東芝は、経営再建に使う資金を得るために進めている半導体事業の売却交渉で、アメリカや台湾などのメーカーやファンドに候補を絞り込んで2回目の入札の手続きに入り、売却先の選定を急ぐ方針です。
東芝は、アメリカの原子力子会社、ウェスチングハウスが経営破綻し、昨年度の最終赤字が1兆100億円となる可能性があります。東芝は、経営の再建に使う資金を得るため今月分社化した半導体事業を売却することにしています。
関係者によりますと、先月29日に締め切った1回目の入札では、10社程度の海外のメーカーやファンドが参加し、最高で3兆円近くの金額が示されました。
これを受けて東芝は、設備投資の資金の準備状況などについて個別に聞き取り調査を進め、2回目の入札に向けて売却先の候補を絞り込む作業に入りました。
関係者によりますと、候補の中にはアメリカの大手半導体メーカー「ブロードコム」や台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ精密工業」、それにアメリカの投資ファンドなどが含まれているということです。
東芝は、2回目の入札の受け付けを来月中旬に締め切り、売却先の選定を急ぐ方針です。
一方、今回の交渉をめぐっては、三重県四日市市にある工場を共同運営しているアメリカの精密機器メーカー「ウエスタンデジタル」が東芝に書簡を送り、売却先の選定にあたっては、ウエスタンデジタル側の同意も必要だという考えを伝えたということです。
このため東芝がことし6月を目指している売却先の選定には、曲折も予想されます。
-- NHK NEWS WEB