コンビナート火災など、大規模な火災で消火活動を行うことが難しい現場に対応するロボットの試作機が作られ、関係者に初めて公開されました。
東日本大震災では、巨大地震の発生当日、千葉県市原市の石油コンビナートで火災が発生しましたが、火の勢いが激しく温度が高いため、消防隊員が近づいて消火することはできませんでした。
これを教訓に、東京・調布市にある総務省の消防研究センターでは、民間企業や大学と共同で、消防隊員が近づけない場所で消火活動をするロボットの開発を進めていて、１４日、試作機を公開しました。
試作機は、空中や陸上を移動して画像などを送る偵察用ロボットと放水するロボット、ホースを伸ばすロボットで構成されています。
会場では、偵察用ロボットの情報をもとに障害物を避けて出火場所までの最短経路を割り出すイメージが紹介されたほか、消防が指示をすると放水ロボットが最短経路で出火場所に向かいホースを伸ばして放水する様子がお披露目されました。
ロボットは４００メートルほどの距離から自動で走行して活動することが可能だということです。
試作機は来年度完成する予定で、消防研究センターの天野久徳特別上席研究官は「消防隊が近づけない場合、火災の抑制は非常に困難になるが、その代わりとして被害を最小限に食い止められるようなロボットを開発していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB
