AI=人工知能の実用化が急速に進んでいます。企業がコールセンターでの受け答えの改善を図るためのいわば「指南役」として使ったり、日本語が話せない外国人旅行者のために料理のメニューを瞬時に翻訳するなど、客の満足度や利便性を高めるための活用が始まっています。
大手電機メーカー「富士通」は、自社のコールセンターに、客の満足度を把握するAIを導入しました。
コールセンターでは、オペレーターの受け答えのよしあしによって客の満足度に大きな差が出るということで、受け答えの改善は重要な課題になっています。
このAIは、電話口での客の声の高さや明るさなどを分析して100点満点で採点し、どういった受け答えに客が不満に感じたか教えてくれるということで、改善につなげているということです。
メーカーは、銀行など窓口で接客を行う場面でも活用できるよう開発を進め、2年後をめどに販売したいとしています。
AIを開発した富士通研究所の大谷猛主任研究員は「今後は、応対中にリアルタイムに顧客の満足度がわかるような仕組みを開発したい」と話しています。
一方、外国人旅行者が多く訪れる長野県軽井沢町のショッピングモールは、外国人向けにAIを使った翻訳システムを導入しました。
旅行者は、スマートフォンに専用のアプリをダウンロードしたうえで、レストランの日本語のメニューを撮影すると、すぐさま翻訳し、どういう料理か、使っている食材は何かといった情報を、英語、中国語、韓国語の3か国語で表示します。
利用した中国人の女性は「とても便利です」と話していました。
このシステムを開発した東芝商品統括部の梅木秀雄主幹は「単なる翻訳ではなく、お客様がどういうことに困っているかを重視し、AIでおもてなしをしたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB