大手鉄鋼メーカー、新日鉄住金の特殊な製品の製造技術が韓国の鉄鋼メーカー、ポスコに流出した問題で、新日鉄住金の元従業員が関与を認めて会社側に謝罪し、解決金を支払うことで和解しました。
この問題は、新日鉄住金を退職した元従業員を通じて、変圧器などとして使われる特殊な鉄鋼製品の製造技術をポスコが不正に取得し、不正競争防止法違反に当たるとして、新日鉄住金が5年前、ポスコと元従業員1人に対して、損害賠償や製品の販売差し止めなどを求めて、東京地方裁判所に裁判を起こしたものです。
ポスコとは、おととし、ポスコ側が300億円を支払うことで和解が成立していますが、元従業員に対する責任の追及は続いていました。
新日鉄住金によりますと、提訴した1人を含め、およそ10人の元従業員が1980年代半ばから、およそ20年にわたってポスコ側に自社の製造技術を流出させていたことを認め、会社側に謝罪したということです。さらに解決金を支払うことで和解し、1人当たりの額は最大で、1億円を超えるということです。
企業の技術流出をめぐっては、これ以外にも東芝の半導体の研究データが韓国企業に流出したことなどから、政府は産業スパイ行為を規制する不正競争防止法の罰則をおととし、大幅に強化しました。
-- NHK NEWS WEB