大手電機メーカーの東芝が経営再建に必要な資金を得るために進めている半導体事業の売却交渉について、官民ファンドの産業革新機構の志賀俊之会長は「注目している案件で、社内にチームを作り勉強を始めた」と述べて、出資に向けて検討を始めたことを明らかにしました。
東芝は、アメリカの原子力子会社、ウェスチングハウスが経営破綻し、昨年度の最終赤字が1兆100億円になる可能性があります。
東芝は、経営再建に必要な資金を得るため、今月、分社化した半導体事業を売却することにしていて、海外のメーカーや投資ファンドが名乗りを上げています。一方、これまでに入札に参加した日本企業はなく、政府は外国に技術が流出することへの懸念を示していて、官民ファンドの産業革新機構の対応に注目が集まっています。
これについて、産業革新機構の志賀会長は記者会見で、「これだけの大きな案件なので、当然、投資ファンドとして注目している。社内にチームを作り、公開されている情報をもとに勉強を始めた」と述べて、出資に向けて検討を始めたことを明らかにしました。
さらに、東芝が半導体事業の価値を少なくとも2兆円だと説明していることを踏まえて、志賀会長は「単独では入札に参加できない。いろいろなところとの組み合わせになるが、相手が日本企業かどうかも含めて具体的にどこと組むかは決まっていない」と述べました。
東芝は、売却先をことし6月に選定することを目指していて、産業革新機構や日本企業の対応が焦点となります。
-- NHK NEWS WEB