北朝鮮のキム・ジョンナム(金正男)氏がマレーシアで殺害された事件をめぐって、北朝鮮との外交関係の見直しを進めるマレーシア政府は、北朝鮮国籍の労働者およそ300人が国内に不法に滞在していたとして国外退去にする処分を発表し、法律に基づき北朝鮮に対して厳しい対応を取っていく姿勢を示しました。
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム氏がことし2月、クアラルンプール国際空港で殺害された事件をめぐり、マレーシアと北朝鮮は一時、お互いに相手国民の出国を認めない異例の措置を取るなど関係が悪化し、マレーシア政府は北朝鮮との外交関係の見直しを進めています。
こうした中でマレーシアの入管当局は、国内に滞在する北朝鮮国籍の人たちの実態について調査した結果、東部ボルネオ島のサラワク州に滞在する労働者296人が、観光ビザで入国するなど不法に滞在していたとして、国外退去の処分にすると発表しました。
マレーシア政府は、国内にある北朝鮮関連の企業についても取締りを徹底する方針を明らかにしていて、キム・ジョンナム氏の殺害事件をめぐる両国政府の交渉で、捜査対象者の出国を認めるなどマレーシア側が北朝鮮側に譲歩したとの受け止めが広がる中、法律に基づいて北朝鮮に対して厳しい対応を取っていく姿勢を示した形です。
-- NHK NEWS WEB