東芝の半導体事業の売却交渉について、シャープは、事業の買収を目指している親会社のホンハイ精密工業と連携して出資する意向があることを明らかにしました。
東芝は、アメリカの原子力子会社、ウェスチングハウスが経営破綻し、昨年度の最終赤字が1兆100億円になる可能性があります。
経営再建に必要な資金を得るため、東芝は、今月分社化した半導体事業を売却する入札手続きを進めていて、海外のメーカーや投資ファンドが名乗りを上げています。
これについて、シャープは、入札に参加している親会社の台湾の大手電子機器メーカー、ホンハイ精密工業と連携して、シャープとしても一部を出資する意向があることを明らかにしました。
シャープとしては、東芝が売却しようとしている記憶用半導体、フラッシュメモリーの技術を取り込んで新規事業の拡大を目指したい考えです。
また、ホンハイとしては、政府が外国への技術流出を防ぐ観点で売却先を審査する方針を示す中、日本に本社のある傘下のシャープと連携することで、政府の懸念をかわしたいという狙いもあるものと見られます。
ただ、東芝の半導体事業の買収には、アメリカのアップルが出資を検討しているほか、複数の日本企業が出資する構想も持ち上がるなど、さまざまな形の共同出資を模索する動きもあり、今後の売却交渉は曲折も予想されます。
-- NHK NEWS WEB