青森県弘前市は、桜の名所として外国人観光客にも人気の高い弘前公園の管理などにかかる費用について、海外の利用者が多い仮想通貨の「ビットコイン」で国内外から広く寄付を募る方針を固め、自治体による仮想通貨の新たな活用例として注目されます。
青森県弘前市の弘前公園は、およそ2600本のソメイヨシノやシダレザクラなどがあり、毎年春に開かれる「弘前さくらまつり」には国内外から多くの観光客が訪れます。
また、国の重要文化財である弘前城は、およそ100年ぶりに、今月から石垣の大規模な解体修理が行われています。
弘前市は、年間で数千万円かかる弘前公園の桜の管理や、今年度だけでおよそ2億円かかる弘前城の石垣を修理する費用の一部について、インターネット上でやり取りする仮想通貨のビットコインで寄付を募る方針を固めました。
弘前市としては、海外で利用者が多く、送金の手数料が安いビットコインによって、海外からも広く寄付を集めたい考えで、近く、ビットコインのサービス会社を通じて募集を始める計画です。
弘前市の山本昇副市長は「ビットコインは海外から資金を調達しやすい。地方財政は決して豊かではなく、資金調達の手段の多様化が求められる中、大きなメリットがあると思う」と話しています。
弘前市によりますと、国内の地方自治体がビットコインで寄付を募る取り組みは初めてと見られ、仮想通貨の新たな活用例として注目されます。
-- NHK NEWS WEB