年金支給額の新たな改定ルールを盛り込んだ年金制度改革関連法案について、与党側は、29日に衆議院を通過させたうえで、30日までの会期を延長して今の国会での成立を図る方針です。これに対し、民進党などは、会期延長に反対するとともに、衆議院厚生労働委員長の解任決議案などの提出も視野に入れて衆議院通過の阻止を目指す考えで、与野党の攻防は激しさを増す見通しです。
年金支給額の新たな改定ルールを盛り込んだ年金制度改革関連法案は、先週、衆議院厚生労働委員会で、民進党と共産党が抗議する中、採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。
これを受けて、与党側は、自民党の茂木政務調査会長が「困っている人たちが年金を受け取り、将来世代も自分の年金について安心できる制度を作ることは緊急の課題だ」と述べるなど、29日に衆議院を通過させたうえで、30日までの会期を延長して今の国会での法案の成立を図る方針です。
会期延長について、政府・与党は28日、安倍総理大臣と公明党の山口代表の党首会談を行い、来月15日に山口県で安倍総理大臣とロシアのプーチン大統領の首脳会談が行われることなどを踏まえて延長幅を決める方針です。
これに対して、民進党の野田幹事長は「老後の暮らしに関わる大事な議論にもかかわらず、なぜ、こんなに急ぐのかよくわからない」と述べ、政府・与党の対応を批判しました。
民進党などは「強行採決し、会期延長までして法案を成立させるのは言語道断だ」などと反発を強めていて、会期延長に反対するとともに、自民党の丹羽衆議院厚生労働委員長の解任決議案や、塩崎厚生労働大臣に対する不信任決議案の提出も視野に入れて、衆議院通過の阻止を目指す考えで、与野党の攻防は激しさを増す見通しです。
-- NHK NEWS WEB