おととし火山活動が活発化し、一部の地域に避難指示が出された神奈川県の箱根山の70軒の宿泊施設で、止まったままになっていた温泉の供給が20日までにほぼ全面的に再開されました。
箱根山ではおととし5月、火山活動の活発化によって火口周辺警報が発表され、観光地として知られる大涌谷の周辺に避難指示が出されました。
こうした中、大涌谷から温泉の供給を受けていた箱根町の仙石原地区のおよそ70軒の宿泊施設では、火山活動の影響で温泉を引く設備が壊れたため供給が止まったままになっていました。
温泉の供給会社によりますと、大涌谷周辺への立ち入り制限が解除された去年4月以降進められてきた設備の復旧作業がほぼ終わり、20日までにほとんどの施設で温泉の供給が再開されたということです。
箱根山に出されていた火口周辺警報と避難指示はすでに解除され、地元の観光協会によりますと、一時落ち込んでいた観光客の数も火山活動が活発化する前とほぼ同じ水準に戻っているということです。
今回、温泉の供給が再開されたことで、おととしの火山活動による影響はほぼ解消された形となりました。
箱根町観光協会の高橋始専務理事は「箱根にとって温泉は生命線であり、供給の再開は大変喜ばしいことです。これを契機にさらに多くの観光客に来てもらえるよう取り組んでいきます」と話しています。
-- NHK NEWS WEB