睡眠薬や抗不安薬など精神障害の治療で広く使われている44種類の薬について、厚生労働省は承認された用量でも、服用を繰り返すと依存性が高まり、副作用が出るおそれがあるとして全国の医療機関に注意を呼びかけています。
厚生労働省によりますと、睡眠薬と抗不安薬、それに抗てんかん薬の合わせて44種類は、承認された用量でも服用を繰り返すと依存性が高まり、服用をやめたときに不眠の症状が悪化したり、けいれんや頭痛などの副作用が起きたりするおそれがあり、こうした報告が去年6月末までに470件余り寄せられたということです。
このため、厚生労働省は全国の医療機関に対し、医師が安易に継続して処方することがないように注意するよう呼びかけています。
また、製薬会社に対しても添付文書を改訂し、継続的に使用する場合は治療上の必要性を十分に検討するとともに、使用を中止する際も症状が悪化しないよう徐々に量を減らすなどして、慎重を期すことを医療機関に呼びかけるよう指示しました。
厚生労働省は「不眠症や不安障害などの治療は難しく、薬の使用が長期間に及ぶことも多いが、医師には処方が適切かどうか、慎重に見極めてほしい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB