日本郵政は、おととし買収したオーストラリアの物流企業の業績が悪化していることから、昨年度の決算でおよそ4000億円の損失を計上するとともに、平成19年の郵政民営化後、初めて最終赤字に転落することが明らかになりました。
日本郵政は傘下の日本郵便を通じておととし買収した、オーストラリアの物流最大手、トール・ホールディングスの業績が悪化していることから、昨年度の決算でおよそ4000億円の損失を計上する見通しです。
この損失は、当時のトールの買収額、およそ6200億円に対して、業績の悪化で資産価値が目減りしていることが理由です。
日本郵政は、これまで昨年度の業績見通しで、最終的な損益が3200億円の黒字になると予想していましたが、関係者によりますと、これを下方修正し、10年前の平成19年の郵政民営化後初めて最終赤字に転落するということです。
そのうえで、トールの従業員のおよそ4%に当たる1700人の人員削減を進めることで、業績の立て直しを急ぐ方針です。
日本郵政は25日、長門正貢社長が記者会見して、こうした内容を発表することにしています。
海外企業の買収をめぐっては、経営再建中の東芝が買収した原子力事業会社ウェスチングハウスの経営破綻で1兆円を超える巨額損失を計上する可能性を公表するなど、買収にあたって企業の価値をどう判断するかが問われています。
-- NHK NEWS WEB