東南アジア最大の自動車市場、インドネシアで、日産自動車の傘下で経営の立て直しを進めている三菱自動車工業が25日、新工場の開所式を行い、自動車メーカー各社の間でインドネシアの成長する市場をめぐる競争が加速しそうです。
三菱自動車の新工場は、首都ジャカルタ近郊の工業団地に650億円を投じて建設され、25日、三菱自動車の会長を兼ねる日産自動車のカルロス・ゴーン会長のほか、インドネシアのジョコ大統領も出席して、開所式が行われました。
新工場ではインドネシアで人気の高まるSUV=多目的スポーツ車や、ミニバンなどを中心に、現在の生産能力の倍に当たる年間16万台を生産する計画で、ゴーン会長は記者団に対し、「三菱自動車はASEANで高い収益を上げている。三菱と提携したことで、日産自動車もさらに競争力をつけることができた」と述べ、東南アジア市場の開拓に力を入れる考えを強調しました。
インドネシアでの自動車販売台数は、年間およそ100万台と東南アジア最大ですが、保有台数は10世帯につき1台にとどまり、今後の大きな成長が見込まれています。
インドネシアでは、シェアトップのトヨタも去年、新たなエンジン工場を立ち上げ、生産体制を強化していて、メーカー各社の間では成長する市場をめぐる競争が加速しそうです。
-- NHK NEWS WEB