大学生などの就職活動が本格化していますが、26日、来年春に卒業する学生に対する求人倍率が6年連続で上昇したとする調査結果が公表されました。学生優位の「売手市場」で、人材を確保しようと採用方法を工夫する企業の動きが出ています。
リクルートホールディングスがきのう公表した調査結果によりますと、来年春に卒業する大学生や大学院生に対する求人倍率は1.78倍と、6年連続で上昇しました。
売手市場の傾向が強まり、大都市圏の学生の獲得競争が激しくなる中、採用方法を工夫する企業も出ています。
都内のインターネット広告会社は、地方の優秀な学生を取り込もうとことしから採用活動をネット上で行っています。試験や面接に訪れる負担をなくしたことで、エントリー数は去年の2倍を超えたということです。ネットで採用を完結するために人物評価は人工知能を活用し、およそ6000人の人材のデータをもとに入社後に活躍できるか見極めているということです。
一方、首都圏の居酒屋チェーン会社は、毎週、店舗に学生を招いて就職セミナーを開いています。無料で料理や酒を味わってもらいながら経営戦略や仕事のやりがいなどを伝えていて、従来のセミナーに比べ参加者は10倍に増えたということです。
リクルートワークス研究所の戸田淳仁主任アナリストは「学生の人気が一部の企業に集中するなか、採用方法を見直す動きがさらに広がるか注目される」と話しています。
-- NHK NEWS WEB