ロシアの首都モスクワに到着した安倍総理大臣は、日本時間の午後8時半すぎからプーチン大統領との日ロ首脳会談に臨んでいます。会談の冒頭、安倍総理大臣は、去年、山口県長門市で行われた日ロ首脳会談以降、両国関係は着実に前進しているとしたうえで、首脳どうしの2人だけの会談で平和条約問題を含む2国間関係や安全保障の問題などについて率直に意見を交わしたいという考えを伝えました。
安倍総理大臣は日本時間の午後6時半すぎ、政府専用機でロシアに到着し、午後8時半すぎから首都モスクワのクレムリンで、プーチン大統領との日ロ首脳会談に臨んでいます。安倍総理大臣とプーチン大統領との会談は、第1次安倍内閣を含めると17回目です。
会談の冒頭、プーチン大統領は「ロシアの首都で皆さんを歓迎することはうれしく、長門市でのおもてなしもよく覚えている。日本はロシアのよきパートナーだ。山口で話した結果、いろいろな合意が達成されたが、今までの数か月間でかなり進展が見られる。さらに、今回のシンゾウを主体とする代表団の結果は実りあるものとなって、これからの共同作業もいろいろ議論できる」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は「この美しいロシアの首都でウラジーミルと再会でき、うれしく思う。改めてサンクトペテルブルクの地下鉄爆破テロの犠牲者の皆様のご冥福をお祈りする。この卑劣なテロは断じて許されず、断固として非難する。この困難な時、日本はロシアとともにある。強い連帯を表明する」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「両国関係は、3月には3年4か月ぶりに2プラス2の会合が開かれ、外交・安全保障について有意義な議論が行われ、成果が得られた。経済では8項目の協力プランで進展が見られる。長門会談以降、両国関係が着実に前進していることを評価したい。きょうは平和条約問題を含む二国間関係、安全保障の問題、そして地域情勢について、この少人数会合の後、2人で率直に話したい」と述べました。
会談で、安倍総理大臣は、去年12月に提案した北方領土での共同経済活動をめぐって実施する事業の選定を進めるため、来月にも両国の企業関係者も交えて日本とロシアが共同で現地調査を行うことで合意したい考えです。
安倍総理大臣としては、日ロ両政府が関わる形で、漁業や環境、それに観光などの分野で共同経済活動を早期に開始し、両国の経済的な結びつきを強めていくことで、北方領土問題の前進につなげたい考えです。
また、安倍総理大臣は、北朝鮮とロシア極東の間で、北朝鮮の貨客船マンギョンボン号が運航する定期航路が開設されることも踏まえ、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に自制を求めるため、圧力の強化などに協力を求めることにしています。
-- NHK NEWS WEB